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特集 災害医療対応の最前線――近年の災害対応からの教訓
医療機関へのライフライン支援最前線
Forefront of lifeline support for medical institutions
鈴木 教久
1
Norihisa SUZUKI
1
1独立行政法人国立病院機構 本部DMAT事務局
キーワード:
ライフライン
,
医療機関
,
補給
,
広域災害救急医療情報システム(EMIS)
Keyword:
ライフライン
,
医療機関
,
補給
,
広域災害救急医療情報システム(EMIS)
pp.593-597
発行日 2021年5月22日
Published Date 2021/5/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27708593
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東日本大震災以降,地震災害,風水害対応において,医療機関および高齢者施設などへの物資支援は近年で大きく変化してきている.被災地における医療機関および施設へ物資支援の意義とは,患者生命の維持=病院機能の維持である.すなわち,建物の安全を確保した後にはライフラインの維持が重要となる.発災すれば,災害の種類にかかわらずライフライン被害として停電,断水が考えられ,病院特有として医療ガスの枯渇があげられる.これらの供給が停止した際には,患者を搬送せざるを得なくなり,最悪,病院避難となる.しかし,ライフライン支援がうまくいけば病院避難の回避,搬送資源・医療資源の節約にもつながる.患者の搬送は重症患者ほどリスクが高く,また搬送手段の確保は限界があり,急性期ほど確保が困難である.さらに病院避難ともなれば,その搬送対象者は増えることになる.災害時において,患者を搬送するより医療機関へ燃料・水を補給するほうが効果的に医療需要に対応できるといえる.
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