Japanese
English
第1土曜特集 二次性心筋症──Present and Future
収縮不全を主徴とする二次性心筋症
がん治療関連心機能障害(CTRCD)
Cancer therapeutics-related cardiac dysfunction
辻永 真吾
1
,
安斉 俊久
1
Shingo TSUJINAGA
1
,
Toshihisa ANZAI
1
1北海道大学大学院医学研究院 循環病態内科学教室
キーワード:
がん治療関連心機能障害(CTRCD)
,
左室駆出率(LVEF)
,
心筋トロポニン
,
BNP
,
NT-proBNP
Keyword:
がん治療関連心機能障害(CTRCD)
,
左室駆出率(LVEF)
,
心筋トロポニン
,
BNP
,
NT-proBNP
pp.400-405
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27705400
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高齢化社会とがん治療の進歩により,循環器疾患を合併するがん患者やがんサバイバーが急激に増加している.がん化学療法に伴う心機能障害により,化学療法の継続が困難になったり,循環器疾患の合併ががん治療の妨げになるがん患者の増加が顕著なため,腫瘍循環器学(Onco-Cardiology)の必要性が叫ばれるようになった.そのなかでも,がん治療関連心機能障害(CTRCD)はがん患者やがんサバイバーの予後に影響するため,重要な疾患概念である.2014年に米国心エコー図学会(ASE)と欧州心血管イメージング学会(EACVI)が合同で,また2016年に欧州心臓病学会(ESC)からもこれまでのエビデンスをまとめたposition paperが発表され,CTRCDが定義され,がん治療を適切かつ安全に進めるうえで,循環器系合併症のモニタリングや治療介入の必要性が強調された.本稿では,腫瘍循環器学診療におけるCTRCDについて解説する.
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