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速報
大阪市内の熱中症死亡に対する気象・居住環境の影響
Climate and resident environments contribute to death in heat stroke in Osaka City
片岡 真弓
1
,
吉澤 秀憲
1,2
,
川井 和久
1
,
田村 佳映
1
,
小林 奏子
1
,
松野 恵子
1
,
荒木 尚美
1
,
吉田 謙一
1,3
Mayumi KATAOKA
1
,
Hidenori YOSHIZAWA
1,2
,
Kazuhisa KAWAI
1
,
Yoshiteru TAMURA
1
,
Kanako KOBAYASHI
1
,
Keiko MATSUNO
1
,
Hisami ARAKI
1
,
Ken-ichi YOSHIDA
1,3
1大阪府監察医事務所
2大阪大学医学部附属病院病理部
3東京医科大学法医学教室
pp.253-255
発行日 2021年4月17日
Published Date 2021/4/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27703253
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例年,夏を迎えるころ,報道機関や行政が熱中症に関する注意喚起を繰り返しているが,2020年も全国で約6万5千人が熱中症のため救急搬送された.大阪府監察医事務所(以下,大監医)は,熱中症死亡を含む大阪市内の異状死体について死因究明を担っており,孤独死の実情について独自に情報を発信し,注目されてきた.「熱中症診療ガイドライン2015」(日本救急医学会)は,熱中症の調査にあたって重症度,地域,年齢など,“背景因子” に関する実態把握の重要性を指摘し,生活弱者に対して熱中症の発生防止を求めている1).そのため,高齢者,孤立者などに関する “背景因子” の把握が必須であるが,救急医療機関や行政機関が把握できる情報には限りがある.とくに,熱中症関連死には孤独死,心肺停止事例が多いため,背景因子,死因が把握できない事例が多い.この点,大監医では異状死の発生状況,生活状況,既往歴などの “背景因子” を把握し,検案(外表検査)を行ったうえで,必要な事例に対し,CT,解剖によって死因を究明している.今回,2018~2020年の3年間,大監医が扱った熱中症死亡例についての概要,生活状況,死亡時・発見時の状況,気候変化との関連性について調べた結果を報告する.
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