特集 公衆衞生と放射能
水爆の実験と気象の変化
荒川 秀俊
1
1気象研究所予報研究室
pp.14-15
発行日 1954年12月15日
Published Date 1954/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201496
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1954年3月1日から5月5日までビキニ環礁で数回にわたつて水爆の実験が行われた。5月20日に開かれた日本気象学会の総会席上において,(1)水爆実験によつて成層圏に打上げられた放射能を持つ多量の灰は地球をかこむ大気の大循環のために世界中に運ばれること。(2)このような大規模な大気汚染は長い間つずくので日射その他の気象現象に異常をきたし,今後の凶冷その他の気象災害との関係については全く予想をゆるさないこと"なる二項を具体的内容とした声明書を議決し,内外の学界及び諸機関に訴えるところがあつた。その後,わが気象学界でなされた結果を要約すると,次ぎの如くになる。
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