Japanese
English
第1土曜特集 脳・神経系の感染症――診断と治療の最前線
脳・神経系のウイルス感染症
わが国のCOVID-19重症例における神経学的所見の検討
Neurological aspects of severe COVID-19 in Japan
川本 未知
1
,
石山 浩之
1
,
幸原 伸夫
1
Michi KAWAMOTO
1
,
Hiroyuki ISHIYAMA
1
,
Nobuo KOHARA
1
1神戸市立医療センター中央市民病院脳神経内科
キーワード:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
微小出血
,
高次脳機能障害
,
壊死性脳症
,
急性散在性脳脊髄炎
Keyword:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
微小出血
,
高次脳機能障害
,
壊死性脳症
,
急性散在性脳脊髄炎
pp.63-70
発行日 2021年4月3日
Published Date 2021/4/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2770163
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において頭痛や筋肉痛,めまい,嗅覚低下,味覚障害などの神経症状は軽症者や感染早期にみられる.一方,重症例では意識障害の遷延,四肢筋力低下,振戦,高次脳機能障害,末梢神経障害などを呈し,後遺症が長期に及ぶことがわかってきた.頭部MRIにて多発する微小出血や白質病変を呈し,COVID-19肺炎の改善後も記銘力低下や遂行機能障害などの後遺症が遷延するケースも多く,社会復帰の障害となっている.急性期のCOVID-19診療において,脳神経内科医による診察や画像診断,脳波,髄液検査などを必要とする症例は多いが,レッドゾーンゆえの制約も多い.COVID-19の神経合併症の早期診断には,感染リスクに配慮した患者監視システムや,変化時に遅滞なく専門医が介入できる体制を前もって構築しておく必要があり,今後,急性期の画像や髄液の評価とともに免疫療法を含めた治療の検討が必要である.
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