Japanese
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特集 肥満・糖尿病とCOVID-19
糖尿病とCOVID-19の重症化
-――自施設データも踏まえて
Diabetes and severe prognosis in COVID-19
岡内 幸義
1
,
岩橋 博見
1
Yukiyoshi OKAUCHI
1
,
Hiromi IWAHASHI
1
1市立豊中病院内科(内分泌代謝内科)
キーワード:
糖尿病
,
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
重症化リスク
Keyword:
糖尿病
,
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
重症化リスク
pp.265-271
発行日 2022年7月23日
Published Date 2022/7/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28204265
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糖尿病は,高齢や肥満とともに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスク因子のひとつである.一般住民とCOVID-19患者における糖尿病有病率に差がないことから,糖尿病患者で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染リスクが高くなることはないと考えられるが,重症の患者ほど糖尿病有病率は高くなる.また1型,2型を問わず糖尿病患者でCOVID-19関連死の頻度が高く,肥満を含む種々の因子で調整しても,糖尿病がCOVID-19関連死の独立したリスク因子となることが報告されている.発症前の血糖コントロールが直接COVID-19の重症化と関連するかは不明であるが,入院時の高血糖や入院後の血糖コントロールは死亡リスクと関連しており,発症後早期からの血糖コントロールが重症化予防のために重要であると考えられる.糖尿病を含む耐糖能障害の有無は,酸素吸入が必要となるかどうかを予測する独立した因子のひとつであり,入院の要否を決定するうえで重要な点である.また,COVID-19入院患者において未診断の糖尿病患者が一定数の頻度で存在することから,COVID-19診断時には糖尿病のスクリーニング検査をもれなく実施することが必要であると考える.
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