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特集 ケトン体による生体制御
ケトン体による心機能制御
Cardiac regulation by ketone bodies
有馬 勇一郎
1,2
,
辻田 賢一
1,3
Yuichiro ARIMA
1,2
,
Kenichi TSUJITA
1,3
1熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科
2同国際先端医学研究機構
3同健康長寿代謝制御研究センター
キーワード:
心機能制御
,
ケトン体
,
エネルギー基質
Keyword:
心機能制御
,
ケトン体
,
エネルギー基質
pp.1123-1127
発行日 2021年3月20日
Published Date 2021/3/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu276121123
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心臓は絶え間なく動くことを特徴する臓器であり,安静時においてもエネルギー需要が多く,かつ高い予備能を必要とする.ケトン体は糖,脂肪酸に続く第3のエネルギー源として知られ,とくに近年,エネルギー基質としての有用性が期待されるようになった.しかし,心臓におけるケトン体利用の実態については未解明な点が多い.本稿では,前半部分で心臓におけるエネルギー利用の特徴を示したうえで,ヒトの心臓におけるエネルギー代謝測定法を紹介する.また,心臓におけるケトン体の利用について生理的・病的状態における特徴を概説する.また,ケトン体はエネルギー基質以外の,多面的作用があることも注目されている.後半ではそのような特徴のうち,ミトコンドリア保護作用やエピゲノム修飾因子といった,ケトン体が持つ新たな作用についてもケトン体合成不全モデルなどの基礎的知見を交えて紹介する.
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