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第5土曜特集 糖尿病治療・研究の最前線2021
合併症
糖尿病とNAFLD/NASH
Diabetes mellitus and non-alcoholic fatty liver disease
建石 良介
1
Ryosuke TATEISHI
1
1東京大学大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
インスリン抵抗性
,
肝発癌
,
メタボリックシンドローム
Keyword:
インスリン抵抗性
,
肝発癌
,
メタボリックシンドローム
pp.485-487
発行日 2021年1月30日
Published Date 2021/1/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27605485
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非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は,組織学的あるいは画像的に認められた脂肪肝のうち,ウイルス肝炎や自己免疫性肝疾患,薬剤性肝障害などの特異的肝疾患を除外し,規定のアルコール摂取量以下ものと定義される.糖尿病とNAFLDは肥満・インスリン抵抗性という危険因子を共有しており,NAFLDはメタボリックシンドロームの肝での表現型とも考えることができる.NAFLDのうち,進行性の線維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は,わが国におけるウイルス肝炎を合併しない肝細胞癌増加の主因であると考えられている.糖尿病が種々の悪性腫瘍を増加させるとの知見が集積されているが,とくに肝発癌を最も増加させる.NAFLD/NASHは病態が進行するまで無症候であり,生存予後を左右する場合もあるため,糖尿病患者における合併症として今後留意する必要がある.
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