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第5土曜特集 糖尿病治療・研究の最前線2021
基礎研究
膵β細胞量調節の分子機構
Regulatory mechanism of pancreatic beta cell mass
西山 邦幸
1,2,3
,
寺内 康夫
2
,
白川 純
1,2
Kuniyuki NISHIYAMA
1,2,3
,
Yasuo TERAUCHI
2
,
Jun SHIRAKAWA
1,2
1群馬大学生体調節研究所代謝疾患医科学分野
2横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学
3同発生成育小児医療学
キーワード:
糖尿病
,
膵島
,
膵β細胞量
Keyword:
糖尿病
,
膵島
,
膵β細胞量
pp.371-378
発行日 2021年1月30日
Published Date 2021/1/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27605371
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糖尿病の病態におけるインスリン作用不足の原因の背後には,膵β細胞の機能低下と膵β細胞量の低下が存在する.1型糖尿病,2型糖尿病は病気の進行とともに機序は異なるが,いずれも膵β細胞量の低下することが示されている.そこで,膵β細胞量を増やすことができれば,糖尿病の有用な治療選択肢になることが期待される.膵β細胞量の調節機構には,①幹細胞由来の膵β細胞の移植,②膵β細胞新生(neogenesis)の促進,③膵β細胞の脱分化・分化転換の抑制,④膵β細胞増殖の促進,⑤膵β細胞死(アポトーシス,ネクローシス)の抑制などがあげられる.膵β細胞増殖を促進させるDYRK1A阻害薬やTGF-β阻害薬,Isx9などの分子が近年では次々と発見されており,このような研究は膵β細胞量を増加させ,糖尿病を根本的に改善する治療につながると期待される.
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