Japanese
English
特集 IgG4関連疾患――解明されてきた新たな病態
IgG4関連腎臓病の長期経過
Long-term follow-up in patients with IgG4-related kidney disease
川野 充弘
1
,
水島 伊知郎
1
Mitsuhiro KAWANO
1
,
Ichiro MIZUSHIMA
1
1金沢大学附属病院リウマチ・膠原病内科
キーワード:
IgG4関連腎臓病
,
尿細管間質性腎炎(IgG4-TIN)
,
抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎
,
補体
Keyword:
IgG4関連腎臓病
,
尿細管間質性腎炎(IgG4-TIN)
,
抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎
,
補体
pp.125-129
発行日 2021年1月9日
Published Date 2021/1/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27602125
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IgG4関連腎臓病は糖質コルチコイドが著効する疾患であるが,治療開始が遅れた場合には,腎機能が完全に正常化することはない.その理由として,一部の症例では部分的,あるいはびまん性に不可逆的な線維化が生じ,腎表面に瘢痕を残すためと考えられている.最終観察時に腎機能低下が正常域まで回復するかどうか,画像上,部分的な瘢痕を残さないかどうかを規定する因子としては治療開始時の腎機能が重要であり,腎機能が正常であっても多発性造影不良域の明らかなIgG4関連腎臓病では,速やかなステロイド治療が推奨される.さらに,再燃のリスクが高い疾患であることから,ステロイドの維持療法期においては,経過中にステロイド維持量の微調整が必要となる場合もある.非常にまれではあるが,最終的に末期腎不全となり血液透析などの腎代替療法が必要となる症例も存在する.今後,長期にフォローが可能であった多数例の解析により,長期の治療戦略が確立されることが期待される.
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