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特集 IgG4関連疾患――解明されてきた新たな病態
IgG4関連涙腺・唾液腺炎の長期経過
Long-term clinical course of IgG4-related dacryoadenitis and sialadenitis
高橋 裕樹
1
Hiroki TAKAHASHI
1
1札幌医科大学医学部免疫・リウマチ内科学
キーワード:
IgG4関連涙腺・唾液腺炎(IgG4-DS)
,
シェーグレン症候群
,
唾液腺機能
Keyword:
IgG4関連涙腺・唾液腺炎(IgG4-DS)
,
シェーグレン症候群
,
唾液腺機能
pp.131-134
発行日 2021年1月9日
Published Date 2021/1/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27602131
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IgG4関連疾患(IgG4-RD)は腫瘤形成を特徴とする全身性の慢性炎症疾患であり,とくに涙腺・唾液腺を好発部位としていることから,IgG4関連涙腺・唾液腺炎(IgG4-DS)は早期診断のきっかけとなる重要な病態である.IgG4-DSに対する治療介入の要否や時期を決定するにあたって,その長期経過を考慮する必要がある.シェーグレン症候群では不可逆的な腺機能低下が認めることが多いが,IgG4-DSではグルココルチコイド(GC)による迅速な腺機能の回復を認める一方,治療介入の時期にはwindow of opportunityが存在する.当科での検討では,腺機能保持のためには発症2年以内が適切であること,またIgG4-DSを契機とした治療介入は,その後の腺外病変の出現抑制が期待されることを報告した.今後,厚生労働省研究班が中心になって始動したレジストリでのデータ蓄積が期待される.
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