Japanese
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特集 環状肉芽腫とその類症
研究
肉芽腫性皮膚疾患におけるM1,M2マクロファージの意義
Role of M1 and M2 macrophages in granulomatous skin diseases
浅井 純
1
Jun Asai
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine Graduate School of Medical Science
キーワード:
サルコイドーシス
,
M1マクロファージ
,
M2マクロファージ
,
CD163
,
PD-L1
Keyword:
サルコイドーシス
,
M1マクロファージ
,
M2マクロファージ
,
CD163
,
PD-L1
pp.474-478
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000003409
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●マクロファージは骨髄由来の造血幹細胞より単球を経て組織中に移動し,分化した細胞である.強い貪食作用を有し,組織中の死んだ細胞や変性物質,病原性微生物などの異物を処理することで自然免疫における生体防御機構として重要な役割を担っている.またマクロファージは抗原提示能や各種サイトカイン産生能を有し,獲得免疫にも寄与する.
●マクロファージは周囲組織の環境によって機能や形を変え,組織の恒常性維持や免疫反応に寄与している.細胞分化とは異なり可逆性に変化するこの機能は極性化(polarization)と呼ばれている.
●マクロファージの代表的な極性にM1マクロファージとM2マクロファージがある.M1マクロファージは炎症性サイトカインを強く発現し,抗菌活性が高いのに対して,M2マクロファージは抗炎症,免疫抑制機能をもち,炎症反応の終息と組織修復に寄与している.
●サルコイドーシスでは,類上皮細胞肉芽腫とその周囲の間質にprogrammed cell death 1-ligand 1(PD-L1)陽性のM2マクロファージがみられ,細胞性免疫能の低下に関与している可能性がある.
(「ポイント」より)
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