Japanese
English
特集 遺伝性疾患と遺伝カウンセリング
臨床例
母子間で皮疹の分布範囲が大きく異なったGoltz症候群
A familial case of Goltz syndrome in which the distribution of skin lesions differs significantly between the mother and child
田原 海
1
,
小野 紀子
1
,
青木 里美
1
,
天谷 雅行
1
,
久保 亮治
2
Umi Tahara
1
,
Noriko Ono
1
,
Satomi Aoki
1
,
Masayuki Amagai
1
,
Akiharu Kubo
2
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
2Division of Dermatology, Department of Internal Related, Kobe University Graduate School of Medicine
キーワード:
Goltz症候群
,
X連鎖性優性遺伝
,
X染色体不活化
,
遺伝カウンセリング
Keyword:
Goltz症候群
,
X連鎖性優性遺伝
,
X染色体不活化
,
遺伝カウンセリング
pp.232-235
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002861
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・PORCNの片アレル欠失によって発症した,Goltz症候群の母子例を報告した.母は生下時から両側の広大な範囲に皮疹を認めた一方で,娘は片側のごく限られた範囲にのみ皮疹を認めた.
・母子間でGoltz症候群の皮疹の分布範囲が大きく異なった原因として,ランダムにおこったX染色体不活化の結果,皮膚組織において正常なPORCNを発現せず病変部をつくる細胞の割合に差があったと考えられた.PORCNに遺伝学的変化を有する場合でも,皮疹の範囲は発生初期におこるX染色体不活化の結果をそのまま反映することが示唆され,次子が同疾患に罹患した場合は姉妹間でも皮疹の範囲が大きく異なる可能性があることを両親に伝えた.
(「症例のポイント」より)
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