案件から学ぶ医療事故の対策と問題点
長期ステロイド薬による緑内障を生じた例
向井 秀樹
1
1東邦大学医学部
pp.906-907
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002165
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・右眼周囲の乾燥を伴う紅斑,項部や胸部にも同様な皮疹がある20歳代の女性患者.
・湿疹と診断し,眼の周囲にネオメドロール®EE軟膏、体にはマイザー®クリームを処方.その後,顔面病変にはロコイド®軟膏を追加し,顔面病変は改善.
・例年春先に顔病変が悪化.抗アレルギー薬の1週間内服に加えて,プレドニン®(5mg)2錠分2を5日間処方.眼の周囲は外用薬をリンデロン®A眼軟膏に変更,顔面はロコイド®軟膏にて治療.
・ステロイド内服は症状に合わせて中止時期もあったが,1年間投与.その後の2年間,ステロイド外用薬は継続使用された.
・某病院眼科から診療情報提供書が届き,高眼圧症(緑内障)の診断でステロイド外用薬が疑われ中止したが,代替品の処方を要望されたため,小児用プロトピック®軟膏とプロぺト®を処方.
(「経過」より)
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