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第5土曜特集 遺伝統計学の新潮流――新規創薬・個別化医療への挑戦
遺伝統計学の理論と実践
便中ヒトゲノム情報からの個人情報の再構築
Reconstruction of the personal information from human genome reads in gut metagenome sequencing data
友藤 嘉彦
1
Yoshihiko TOMOFUJI
1
1東京大学大学院医学系研究科遺伝情報学,大阪大学大学院医学系研究科遺伝統計学,理化学研究所生命医科学研究センターシステム遺伝学チーム
キーワード:
腸内微生物叢
,
メタゲノムショットガンシークエンシング
,
ヒトゲノム由来配列
,
個人情報
Keyword:
腸内微生物叢
,
メタゲノムショットガンシークエンシング
,
ヒトゲノム由来配列
,
個人情報
pp.1083-1088
発行日 2024年3月30日
Published Date 2024/3/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu288131083
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メタゲノムショットガンシークエンシング解析は,腸内微生物叢の全体像を捉えることができる有用な解析手法であるが,実はデータ中に微生物ゲノム由来配列だけではなく,ごくわずかにヒトゲノム由来配列も含まれることが知られている.ヒトゲノム情報は究極の個人情報ともいわれており,その取り扱いには慎重になるべきであるが,一方で,ごくわずかなメタゲノムショットガンシークエンシングデータ中のヒトゲノム由来配列中に,どれほどの個人情報が含まれているのかという点について,定量的な議論がなされてこなかった.最近,筆者らはメタゲノムショットガンシークエンシングデータ中のヒトゲノム由来配列から,①性別,②同一個人由来の遺伝子型データ,③属する人種集団,④ゲノムワイドな遺伝子型(ただし,高深度シークエンシングを行った場合に限る)の情報を得ることができることを示した.本稿では,本研究に関する解説とデータ共有に関する今後の課題について述べる.
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