特集 接触皮膚炎-2017
the case of the month
スタンドアップパドルボード大会で配布されたTシャツによる化学熱傷
赤石 奈保美
1
,
大槻 友紀
,
渡邊 京子
1湘南藤沢徳洲会病院 皮膚科
キーワード:
Prednisolone
,
Silver Sulfadiazine
,
衣服
,
熱傷-化学的
,
胸部疾患
,
鑑別診断
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
経皮投与
,
背部
,
皮膚炎-アレルギー性接触
,
Didecyldimethylammonium Chloride
,
Guaiazulene
,
Betamethasone 17-Valerate-Gentamicin
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Administration, Oral
,
Burns, Chemical
,
Back
,
Diagnosis, Differential
,
Clothing
,
Drug Therapy, Combination
,
Prednisolone
,
Silver Sulfadiazine
,
Thoracic Diseases
,
Dermatitis, Allergic Contact
,
Guaiazulene
,
Didecyldimethylammonium
pp.763-766
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017304611
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<症例のポイント>2016年9月、神奈川県茅ヶ崎市においてスタンドアップパドルボードの国際大会が開催された。公式ユニフォームとして配布されたTシャツを着用した後に、多数の選手、スタッフが気分不快、上半身の痛み、灼熱感などの症状を訴えた。当院には21名が来院し、Tシャツ着用部に一致した紅斑、水疱、びらんを認め、化学熱傷と診断した。化学熱傷の原因物質はジデシルジメチルアンモニウムクロリド(didecyldimethylammonium chloride、以下、DDAC)であった。DDACはTシャツプリントの発色剤として本事例で初めて使用された。洗浄工程が行われなかったため、DDACが高濃度にTシャツに残留し、化学熱傷をおこしたと考えられた。DDACとその分解物であるジデシルメチルアミン(didecylmethylamine、以下、DDMA)、N,N-ジメチルデシルアミン(N,N-dimethyldecylamine、以下、DMDA)によるパッチテストを3例に施行したが、陰性であった。
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