特集 小児の皮膚病・腫瘍、母斑
臨床例
頭部に生じた孤立性コラゲノーマ
遠藤 雄一郎
1
,
白瀬 智之
,
戸田 憲一
,
宇谷 厚志
,
吉川 義顕
1大津赤十字病院 皮膚科
キーワード:
強皮症-限局性
,
ケロイド
,
鑑別診断
,
頭頸部腫瘍
,
皮膚腫瘍
,
母斑-色素性
,
瘢痕-肥厚性
,
組織球腫-良性線維性
,
母斑-結合組織
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Head and Neck Neoplasms
,
Keloid
,
Nevus, Pigmented
,
Scleroderma, Localized
,
Skin Neoplasms
,
Cicatrix, Hypertrophic
,
Histiocytoma, Benign Fibrous
pp.1053-1056
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2015043940
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<症例のポイント>結合組織母斑とは、真皮成分の増加を本態とした過誤腫をいう。Elastica van Gieson染色でコラーゲン(膠原線維)とエラスチン(弾性繊維)、Alcian blue染色でプロテオグリカン(ムコ多糖類)を確認する。臨床所見から診断に至る可能性は少ないため、鑑別診断として考慮することが重要である。先天性か後天性か、家族歴の有無、および皮疹の個数は診断の参考になる。結合組織母斑は、症候群の1つとして出現することがある。自験例の臨床症状は単発の半透明な頭部の結節であり、周囲の毛包を圧排するように増殖していた。臨床症状からは診断がつかなかったため、皮膚生検ののち各種染色を施行した。Masson trichrome染色と偏光フィルターを用いたPicrosirius red染色の検体で、III型コラーゲンの増生が結節の本体であると示されたため、孤立性コラゲノーマと診断した。
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