発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003150378
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1998~2000年に入院して手術を行った骨関節結核9例(男6例,女3例,平均54歳)を対象に一連の治療の経験について報告した.治療は原則としてピラマイド,リファジン,イスコチン,エブトールもしくは硫酸ストレプトマイシンの4薬で開始し,1ヵ月をめどに手術を行い,ピラマイドは2ヵ月,他の3薬は6ヵ月以上,炎症所見が消退するまで継続投与した.手術は胸椎の2例はいずれも脊髄麻痺を伴っており,入院早期に開胸により病巣掻爬して切除した肋骨を移植した.腰椎の4例は後腹膜経路より病巣掻爬し,骨欠損部に腸骨を移植して2例にKaneda-SRによる内固定を併用した.骨盤の1例は病巣掻爬のみを行い,股関節の1例は病巣掻爬とKirschner鋼線による関節固定膝関節の1例は病巣を掻爬して腸骨より海綿骨を移植し,外固定を行った.抗結核薬を中止して炎症所見の再燃することなく治癒したものは7例で,1例は再発し再度病巣掻爬を行って治癒した.1例は炎症所見の再燃傾向があり,経過観察していたが受診しなくなった.脊髄麻痺のあった3例は全例ほぼ独歩可能となるまで回復した
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