特集 滲出性紅斑とその周辺
臨床例
persistent papules and plaquesを呈した成人Still病
松本 奈央子
1
,
畑 康樹
,
森山 マサミ
1済生会横浜市東部病院 皮膚科
キーワード:
Methylprednisolone
,
Prednisolone
,
Still病-成人
,
紅斑
,
鑑別診断
,
生検
,
皮膚筋炎
,
パルス療法(薬物療法)
,
丘疹
Keyword:
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Dermatomyositis
,
Erythema
,
Methylprednisolone
,
Prednisolone
,
Still's Disease, Adult-Onset
,
Pulse Therapy, Drug
pp.135-138
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014189100
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<症例のポイント>成人Still病は発熱、関節痛、皮疹、白血球増多、高フェリチン血症を主症状とする炎症性疾患である。本症の定型疹は発熱とともに消長するサーモンピンク調の紅斑で、そう痒は軽微とされるが、そのほかにも非定型疹として多彩な報告がある。非定型疹の中でも持続性の浮腫性紅斑・丘疹を呈し、治癒後に色素沈着を残し、病理組織学的に表皮上層を主とする表皮細胞の個細胞壊死、乳頭層と真皮上層の脈管周囲におけるリンパ球・好中球浸潤を特徴とする皮疹はpersistent papules and plaquesと呼称される。persistent papules and plaquesは成人Still病発症早期から認められ、また重症化、治療抵抗性を示すものが多いと指摘されている。今回われわれはpersistent papules and plaquesを呈し、治療抵抗性であった成人Still病の1例を経験したので報告する。積極的に皮膚生検を行うことは、成人Still病の診断ならびに治療予後を予測するうえでも重要と考える。
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