特集 ワクチンと皮膚病
臨床例
BCG接種後に生じた皮膚結核性肉芽腫
山田 延未
1
,
伊藤 美佳子
,
小林 桂子
1牛久愛和総合病院 皮膚科
キーワード:
BCGワクチン
,
結核-皮膚
,
鑑別診断
,
肉芽腫
,
表皮嚢胞
,
予防接種
,
組織球腫-良性線維性
,
待機療法
,
マルチプレックスPCR法
Keyword:
BCG Vaccine
,
Diagnosis, Differential
,
Epidermal Cyst
,
Granuloma
,
Tuberculosis, Cutaneous
,
Vaccination
,
Histiocytoma, Benign Fibrous
,
Watchful Waiting
,
Multiplex Polymerase Chain Reaction
pp.1141-1144
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2015074192
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
<症例のポイント>わが国で使用されているBCG(Mycobacterium bovis BCG<Tokyo 172>)は、抗原性は諸外国のワクチンに劣らないが、弱毒株であるため副反応が非常に少ないとされている。厚生労働省による、BCG接種による副反応報告を集計したところ、腋窩リンパ節腫脹が62.7%ともっとも多く、結核性肉芽腫は3.7%と比較的まれだった。BCG接種後の結核性肉芽腫の治療方針について、定められたものはなく、さまざまな意見がある。自験例は抗酸菌培養で結核菌群が陽性、Multiplex PCR法でMycobacterium bovis BCG<Tokyo 172>と同定したが、抗結核薬での治療は行わず、経過観察で硬結は消褪した。
Copyright© 2014 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.