特集 網状を呈する皮膚疾患
臨床例
薬疹も疑われた成人T細胞白血病/リンパ腫
高橋 美咲
1
,
福田 英嗣
,
新山 史朗
,
渡邊 恒輔
,
加茂 理英
,
向井 秀樹
,
大原関 利章
1東邦大学医療センター大橋病院 皮膚科
キーワード:
鑑別診断
,
白血病リンパ腫-成人T細胞性
,
薬疹
,
免疫組織化学
,
Giemsa染色
,
薬剤リンパ球刺激試験
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Drug Eruptions
,
Immunohistochemistry
,
Leukemia-Lymphoma, Adult T-Cell
pp.271-274
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014143319
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<症例のポイント>成人T細胞白血病/リンパ腫(adult T cell leukemia/lymphoma、以下、ATLL)の皮膚症状は結節、腫瘤や丘疹、浸潤性局面など多彩で、まれに自験例のようなlivedo様皮疹を呈す。自験例は総合感冒薬2剤で薬剤リンパ球刺激試験(drug-induced lymphocyte stimulation test、以下、DLST)が陽性であったが、血液検査で異型リンパ球の増加があり、抗HTLV-1抗体陽性、病理組織学的所見で異型リンパ球浸潤、末梢血塗抹像でflower cellを認めたことからATLLと診断した。DLSTが陽性になった機序として、ウイルス感染時に薬剤に対する反応性が亢進し陽性を呈した。T細胞親和性をもつウイルス感染により偽陽性を呈した、アセトアミノフェンの関与を考えた。
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