発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005108051
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間質性肺炎(IP)は多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)に高頻度に合併し,多くの症例における生命予後規定因子である.近年Tリンパ球,とくに活性型CD8陽性Tリンパ球がその病態において重要な役割をもつことが示唆され,Tリンパ球を標的とするcyclosporin(CYA)やtacrolimus(TAC)が,同疾患に対する新規治療薬候補として注目されている.PM/DMに合併するIP患者の多施設後ろ向き研究において,CYAは短期および長期予後を改善し,また副腎皮質ステロイド薬の併用による初期治療は比較的予後のわるいDM合併急性型IP症例の生存率を改善した.われわれはCYAを含む現行の免疫抑制療法に抵抗性のPM/DMに合併するIPに対してTACが投与された5例を後ろ向きに解析し,4例が改善・安定化,1例はprednisoloneの増量後に改善した.これらTリンパ球標的免疫抑制療法はPM/DMに合併するIPの新規治療薬となりうる可能性があり,今後前向き臨床試験による検証が必要である
©Nankodo Co., Ltd., 2005