特集 全身症状を伴う皮膚疾患(1)
臨床例
筋症状を伴ったアナフィラクトイド紫斑(AP)
佐藤 洋平
1
,
狩野 葉子
,
塩原 哲夫
1杏林大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Creatine Kinase
,
Prednisolone
,
紫斑病-Schoenlein-Henoch
,
経口投与
,
筋肉痛
Keyword:
Administration, Oral
,
Creatine Kinase
,
Purpura, Schoenlein-Henoch
,
Prednisolone
,
Myalgia
pp.747-750
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014044961
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<症例のポイント>APの経過中に下腿の筋症状が2峰性に出現した。アナフィラクトイド紫斑(anaphylactoid prupura、以下、AP)は、皮膚、関節、消化器および腎などを浸す全身性細小血管炎症疾患である。その他におきうる症状の中に筋症状があるが、その頻度は低く、これまでに詳細な検討がなされていない。今回われわれは、2峰性の筋症状を伴うAPを経験し、おのおのの筋症状とCKの変動に解離を認めたため、若干の文献的考察を加えて報告する。1峰目の筋症状はCKの上昇と、紫斑を伴っていたが、2峰目はCKの上昇は伴わなかった。この2峰性の筋症状は異なった機序により生じた可能性がある。教室例の検討では、溶連菌感染が関与した症例に筋症状を伴う割合が高い傾向にあった。
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