統計
紅皮症を呈した重症落葉状天疱瘡 過去10年間の当院における落葉状天疱瘡の統括とともに
渡邉 美佳
1
,
有田 賢
,
平田 悠
,
水野 修
,
保科 大地
,
阿部 理一郎
,
南辻 泰志
,
清水 宏
1北海道大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
消化管出血
,
DIC
,
皮膚炎-剥脱性
,
致死的転帰
,
天疱瘡-落葉状
Keyword:
Dermatitis, Exfoliative
,
Disseminated Intravascular Coagulation
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Pemphigus
,
Fatal Outcome
pp.501-505
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2013255776
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症例は89歳男性で、外傷を契機として顔面に小水疱が出現し、その後全身へ紅斑、びらん、水疱が拡大し、発熱、血圧低下を来たして入院した。紅斑の生検病理所見で、表皮有棘層上層に棘融解と裂隙形成を認め、蛍光抗体直接法ではIgGが表皮細胞間に沈着し、C3が基底膜付近の表皮細胞間に弱く沈着していた。ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の可能性を考えて免疫グロブリン(IVIG)、抗生剤投与を行ったが、表皮剥脱毒素陰性と判明し、抗Dsg1抗体が異常高値を示したことより、落葉状天疱瘡に敗血症が合併し、ショック状態に至ったと診断した。大量IVIG療法を5日間行い、抗Dsg1抗体は軽度減弱したが依然高値であったためステロイドパルス療法を3日間、次いでプレドニゾロン60mg/日内服を行った。2回目の大量IVIG療法も行ったが皮疹の改善はなく、消化管出血後に急速に全身状態が悪化し、播種性血管内凝固も併発して受診1ヵ月後に死亡した。
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