特集 天疱瘡とその周辺
臨床例
乳癌の放射線治療部位に再燃した落葉状天疱瘡
大井 裕美子
1
,
角田 梨沙
,
舩越 建
,
山上 淳
,
谷川 瑛子
,
寺本 由紀子
,
天谷 雅行
1慶応義塾大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Steroids
,
鑑別診断
,
経皮投与
,
乳房腫瘍
,
皮膚炎-放射線
,
放射線療法
,
直接蛍光抗体法
,
天疱瘡-落葉状
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Breast Neoplasms
,
Diagnosis, Differential
,
Radiodermatitis
,
Pemphigus
,
Radiotherapy
,
Steroids
,
Fluorescent Antibody Technique, Direct
pp.1093-1096
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017051306
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<症例のポイント>放射線照射部位に一致して再燃した落葉状天疱瘡の1例を報告した。放射線照射後、皮疹の再燃に伴って血中抗デスモグレイン(Dsg)1抗体ELISA値が上昇、局所外用治療により低下した。皮疹が照射部に限局した理由として、放射線照射により表皮細胞間結合の構造が変化する可能性や、正常免疫応答が阻害され無疹部より抗原抗体反応が生じやすくなっている可能性を考えた。局所外用治療で皮疹軽快、抗Dsg1抗体ELISA値が低下した経過から、局所の免疫制御機構が自己抗体産生に関連している可能性が示唆された。自己免疫性水疱症を基礎疾患にもつ患者に放射線療法を施行する場合、症状を再燃させる可能性を留意すべきである。
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