症例
診断に難渋した高齢男性の落葉状天疱瘡
前田 学
1
,
松山 かなこ
,
坂本 仁
1新生会八幡病院 皮膚科
キーワード:
Ciclosporin
,
Methylprednisolone
,
多剤併用療法
,
致死的転帰
,
アスペルギルス症-肺
,
胸部CT
,
天疱瘡-落葉状
Keyword:
Drug Therapy, Combination
,
Methylprednisolone
,
Cyclosporine
,
Fatal Outcome
,
Pulmonary Aspergillosis
pp.223-227
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017215730
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87歳男性。腰部にそう痒を伴う紅斑と軽度色素沈着を伴う局面が出現したため受診となった。脂漏性皮膚炎を考え、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏を処方したところ、皮疹は一時改善したが、6ヵ月後より皮疹が再燃、一部にびらんを形成して膿痂疹様となり、7ヵ月後には躯幹に貨幣状湿疹様紅斑が出現し、そう痒の悪化、上肢・躯幹にはびらんを生じた。自己免疫性水疱症を疑い、各種自己抗体を測定したが、すべて陰性のために確定診断がつかず、病理組織所見や直接経口抗体法でも診断不能であった。その後も顔面にびらんが拡大・悪化し、シクロスポリン、メチルプレドニゾロンの投与にて皮疹は改善傾向にあったが、経過中にアスペルギルス肺炎を併発し死亡した。最終的診断は入院中にDG-1 1000U/ml以上を示したことと、臨床像と併せて落葉状天疱瘡とされた。
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