特集 アミロイドーシス(2)
臨床例
家族性アミロイドポリニューロパチーIV型
陳 怡如
1
,
関根 万里
,
青山 亮介
,
村賀 香名子
,
田久保 秀樹
,
石河 晃
1東邦大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Ehlers-Danlos症候群
,
血統
,
鑑別診断
,
免疫組織化学
,
家族性アミロイドニューロパチー
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Ehlers-Danlos Syndrome
,
Immunohistochemistry
,
Pedigree
,
Amyloid Neuropathies, Familial
pp.379-382
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2013220918
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<症例のポイント>家族性アミロイドポリニューロパチーIV型(familial amyloid polyneuropathy IV、以下、FAP IV)はゲルゾリンアミロイド(Agel)によってひきおこされる。特徴的な臨床症状をもち、1)角膜格子状変化、2)脳神経障害、3)皮膚弛緩症を三徴とする。病理組織学的にゲルゾリンは血管周囲、神経周鞘やエクリン汗腺、毛包、脂腺周囲に沈着し、免疫組織学的にはCongo red染色、抗ゲルゾリン抗体染色で陽性となる。現在、根本的な治療法はなく、弛緩皮膚に対し対症的に皮膚切除術が施行されているが、多くは再手術が必要となる。FAP IV型は非常にまれな疾患ではあるが、その臨床症状は特徴的であるため、皮膚弛緩を呈する症例をみた際には鑑別すべき疾患の1つである。
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