特集 手術適応を考える
先天性門脈体循環短絡症
小林 隆
1
,
木下 義晶
1
Takashi Kobayashi
1
,
Yoshiaki Kinoshita
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科小児外科学分野
pp.149-153
発行日 2026年2月25日
Published Date 2026/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001460
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はじめに
先天性門脈体循環短絡症(congenital portosystemic shunts:CPSS)は,1793年にJohn Abernethyが最初に報告したことからAbernethy malformationとも呼ばれている。門脈血が直接体循環に流入することで高アンモニア血症,高ガラクトース血症,肝肺症候群,門脈肺高血圧症,肝性脳症,肝腫瘍など多様な症状をきたす。そのためシャント血流遮断が必要となるが,肝内外門脈の低形成の程度や門脈が体循環へ流入する部位・形状に応じて最適な治療方針を決定する必要がある。治療の選択は肝内門脈の有無で大きく異なる。従来CPSSは肝内門脈の有無で2つに分類されており1),肝内門脈を有するType Ⅱは短絡路結紮術や塞栓術が根治術となりうる2)。一方,肝内門脈を認めないType Ⅰ(いわゆる先天性門脈欠損症)では肝移植の適応となる3)とされてきた。しかしながら近年の診断・治療の進歩に伴い,これまでの治療に関する考え方が見直され,新たな治療戦略が提唱されつつある4)。

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