特集 極・超低出生体重児の治療戦略
血管確保と長期留置の工夫
岡田 侑樹
1
,
産本 陽平
2
,
宮園 弥生
1,3
,
増本 幸二
2,4
Yuki Okada
1
,
Yohei Sanmoto
2
,
Yayoi Miyazono
1,3
,
Kouji Masumoto
2,4
1筑波大学附属病院小児科
2筑波大学附属病院小児外科
3筑波大学医学医療系小児科
4筑波大学医学医療系小児外科
pp.13-18
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001054
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Ⅰ.血管確保について
極低出生体重児は血管が細く脆いため,浸透圧の高いものも含めた薬液を長期間安定的に供給できる中心静脈カテーテルを用いることが多い。中心静脈カテーテルの種類としては,末梢挿入型中心静脈カテーテル(peripherally inserted central venous catheter:PICC)やその他の中心静脈カテーテル(central venous catheter:CVC),臍帯静脈カテーテル(umbilical vein catheter:UVC)がある。CVCは体格の小さい極低出生体重児において,合併症のリスクが大きく第一選択にはならない。UVCは超早産児などにおいて,末梢静脈の確保が困難な時や,皮膚が未熟で留置針固定による皮膚損傷のリスクが高い時に選択肢となるが,生後48時間以降の確保は困難1)で,7日間以上の留置はカテーテル感染のリスクが上昇する2)。以上のことから,極低出生体重児にも長期的な血管確保においては,PICCの留置が一般的である。本稿ではPICCとCVCについて述べていく。
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