特集 Hirschsprung病類縁疾患―診断・治療最前線―
慢性特発性偽性腸閉塞症(chronic idiopathic intestinal pseudo-obstruction:CIIP) 慢性特発性偽性腸閉塞症(CIIP)の診断
田附 裕子
1
Yuko Tazuke
1
1兵庫医科大学消化器外科学小児外科
pp.1260-1267
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001035
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はじめに
わが国において慢性特発性偽性腸閉塞症(chronic Idiopathic intestinal pseudo-obstruction:CIIP)は,「消化管運動機能障害のために,解剖学的な腸管の閉塞がないにもかかわらず,腹部膨満,嘔気・嘔吐,腹痛,腸管拡張などの腸閉塞様症状をきたす原因不明の難治性疾患」として小児慢性特定疾病に認定されている1)。さらに近年「希少難治性消化器疾患の長期的QOL 向上と小児期からのシームレスな医療体制構築班(田口班)」および「我が国における慢性特発性偽性腸閉塞の疫学,診断治療の実態調査研究班(中島班)」の活動により,CIIPはその希少性・原因不明・治療法の未確立・長期的な生活への支障という4要素を満たすことから指定難病に認定された2)。
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