特集 Hirschsprung病類縁疾患―診断・治療最前線―
慢性特発性偽性腸閉塞症(chronic idiopathic intestinal pseudo-obstruction:CIIP) 成人例CIPO (chronic intestinal pseudo-obstruction)
結束 貴臣
1,2,3
,
石原 洋
1,2,3
,
髙橋 宏太
1,2,3
,
大久保 秀則
3,4
,
中島 淳
3
Takaomi Kessoku
1,2,3
,
Yo Ishihara
1,2,3
,
Kota Takahashi
1,2,3
,
Hidenori Ohkubo
3,4
,
Atsushi Nakajima
3
1国際医療福祉大学成田病院緩和医療科/消化器内科
2国際医療福祉大学大学院医学部消化器内科学
3横浜市立大学大学院医学部肝胆膵消化器病学教室
4さがみ林間病院消化器内科
pp.1274-1280
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001037
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
慢性偽性腸閉塞症 (chronic intestinal iseudo-obstruction: CIPO)は「腸管蠕動が低下することによって,生涯にわたり病的な腸管拡張と腸閉塞症状が持続する消化管難病」である1)。便秘や下痢を引き起こすこともあるが,病態本体はあくまでも「永続する麻痺性腸閉塞」であり,Rome基準にある機能性便秘や機能性下痢とはまったく異なる病態である。疾患認知度は少しずつ向上してきているが,それでも確定診断まで平均5年程度かかっており,消化器内科医でさえ確定診断が困難といったケースも残存している。これまでの歴史から現在までの研究に触れながら診断と最新の治療について概説する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.