特集 これならわかる性分化疾患
治療
内性器摘除術
上仁 数義
1
,
森 友莉
1
,
中川 翔太
1
,
小林 憲市
1
,
森谷 鈴子
2
,
影山 進
1
,
河内 明宏
3
Kazuyoshi Johnin
1
,
Yuri Mori
1
,
Shota Nakagawa
1
,
Kenichi Kobayashi
1
,
Suzuko Moritani
2
,
Susumu Kageyama
1
,
Akihiro Kawauchi
3
1滋賀医科大学泌尿器科
2滋賀医科大学附属病院病理部
3市立大津市民病院泌尿器科
pp.1324-1330
発行日 2023年12月25日
Published Date 2023/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000664
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
性分化疾患とは,染色体,性腺,解剖学的性(外性器および内性器)が非定型である先天的状態と定義されている。内性器とは,女性ではMüller管(膣・子宮など),男性ではWolff管(前立腺や精管など)である。内外性器形成では女性型が基本形であり,男性型を誘導するホルモンとしてテストステロン,抗Müller管ホルモン(anti-Müllerian hormone:AMH)が必要となる。テストステロンは精巣の下降,Wolff管由来器官の形成,外性器の男性化に必要である。AMHはSertoli細胞より分泌されMüller管(子宮・卵管・腟上部1/3)を退縮させる1)。Devineらは,退縮しなかった男児のMüller管遺残を,prostate utricleとvagina masculinusの2つに分類した。前者は前立腺小室や男性膣といわれるもので,尿路と交通した囊状の拡張した構造である。後者は囊状に拡張した部分の奥にMüller管である子宮や卵管がある場合を指す2)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.