内視鏡外科手術

はじめに

　内視鏡外科手術（腹腔鏡・胸腔鏡手術）は，内視鏡視野下の手術野で，炭酸ガス気腹・気胸により作製された限られた操作空間において，特殊な器具を使用して行う特殊な手術であるため，開腹・開胸手術では考えられないような合併症や医療事故が起きる可能性がある。特に，体腔内容積が小さく，組織が脆弱な小児の内視鏡外科手術においては，拡大視効果によるメリットはあるものの，成人では起こりえない合併症が起きる可能性があり，安全で確実な内視鏡外科手術を施行するためには，小児内視鏡外科手術に対する高度な知識と技術および経験が相互に補完されることが重要である。