特集 共有したい術式および手術経験:手術のポイントや工夫
体重1,500g未満で出生した鼠径ヘルニア男児症例に対するLPEC+Potts法の有用性
末吉 亮
1
,
世川 修
1
,
石井 惇也
1
,
古橋 七海
1
,
牧 ゆかり
1
,
山口 隆介
1
Ryo Sueyoshi
1
,
Osamu Segawa
1
,
Junya Ishii
1
,
Nanami Furuhashi
1
,
Yukari Maki
1
,
Ryusuke Yamaguchi
1
1東京女子医科大学小児外科
pp.291-295
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000389
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はじめに
体重1,500g未満で出生した鼠径ヘルニア男児症例に対する鼠径部切開法による鼠径ヘルニア根治術(図1)は,組織の脆弱性からヘルニア囊の処理に難渋する場合が多い。したがって,小児外科疾患のなかで最も頻度の高い疾患でありながら,決して容易な手術とはいえない。また,わが国にて発展してきた腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure:LPEC法)のみでのヘルニア門の結紮(図2)では,体重1,500g未満で出生した男児鼠径ヘルニアの大きく開大したヘルニア門に対しては,再発率が高くなることが懸念されるため不十分と考えられる。そこで,2020年より当科では体重1,500g未満で出生した鼠径ヘルニア男児症例に対して,鼠径部切開法にLPEC法を追加したLPEC+Potts法にて手術を施行しており,本術式の有用性を報告する。
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