特集 急性虫垂炎:診断,治療,研究
小児腹腔鏡下虫垂炎手術における局所浸潤麻酔と腹直筋鞘ブロック
横山 智至
1
Satoshi Yokoyama
1
1日本赤十字社和歌山医療センター小児外科
pp.772-776
発行日 2023年7月25日
Published Date 2023/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000519
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はじめに
急性虫垂炎に対する手術は開腹と腹腔鏡下に大別される。QOLや整容性が良好であり,また術後早期の回復目的に,さらに穿孔例でも腹腔内の広範囲の観察が可能であるという利点から,腹腔鏡下手術を選択する小児外科医は多い。実際,当院でも2007年以降は全例腹腔鏡下での虫垂切除を行っている。腹腔鏡下虫垂炎手術の導入時にはmulti-ports laparoscopic surgeryであったが,最近は臍部のsingle incision laparoscopic surgery(SILS)による虫垂切除術が報告されている。在院日数や予後についての両者の優越性は明らかにされていないが,創部の整容性を考慮して単孔式を選択する施設が増加している1)。当院でも2011年から全例単孔式に変更した。また早期に回復し,離床,退院という腹腔鏡下手術の利点を生かすには,術後鎮痛が重要である。しかし,小児の術後疼痛管理において標準的な方法は確立されていないのが現状である。
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