研究
Tocolysisの有用性よりみた出生体重1,000g未満母体症例に関する検討
山下 真祐子
1
,
石岡 伸一
,
真里谷 奨
,
新開 翔太
,
染谷 真行
,
森下 美幸
,
馬場 剛
,
齋藤 豪
1札幌医科大学 産科周産期科
キーワード:
子宮頸管無力症
,
陣痛抑制剤
,
前期破水
,
早産
,
胎児機能不全
,
胎児間輸血
,
胎児発育遅滞
,
胎盤早期剥離
,
妊娠高血圧症候群
,
陣痛抑制
,
後向き研究
,
超低出生体重児
,
新生児死亡
,
胎胞
Keyword:
Uterine Cervical Incompetence
,
Tocolytic Agents
,
Tocolysis
,
Obstetric Labor, Premature
,
Fetal Distress
,
Fetal Growth Retardation
,
Abruptio Placentae
,
Fetofetal Transfusion
,
Fetal Membranes, Premature Rupture
,
Retrospective Studies
,
Perinatal Death
,
Infant, Extremely Low Birth Weight
,
Hypertension, Pregnancy-Induced
pp.675-680
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2021236828
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超低出生体重児(ELBW)児46例につき、母体および胎児の臨床背景、tocolysisの有無と妊娠分娩経過、その後の児の経過を4群に分けて検討した。1)母体因子によるELBW児10例:母体の入院理由は母体妊娠高血圧症候群(HDP)悪化に伴うものが8例、CAOS(慢性常位胎盤早期剥離)疑いを含む常位胎盤早期剥離が2例であった。terminationの理由は母体HDP悪化が6例、胎児の状態悪化が4例であった。新生児死亡は3例(30%)に認めた。2)胎児因子によるELBW児6例:母体の入院理由は子宮内胎児発育不全に伴う胎児機能不全疑いが5例、双胎間輸血症候群による胎児機能不全疑いが1例であった。terminationの理由は胎児の状態悪化であった。新生児死亡は0例(0%)であった。3)10日以内のtocolysis施行14例:母体の入院理由は前期破水12例、胎胞脱出4例、子宮頸管短縮1例、陣痛様の腹緊増強、疼痛4例であった。terminationの理由は陣痛発来、発熱など感染徴候によると考えられるもの19例、トラケレクトミー後で子宮頸部腫瘍再発1例、高度胎胞脱出1例であった。新生児死亡は3例(14.3%)であった。4)10日間以上tocolysisを行えた9例:母体の入院理由は頸管長高度短縮5例、胎胞脱出2例、高位破水2例であり、入院時に明らかに臨床的羊膜絨毛膜炎と診断された症例は認めなかった。tocolysisは塩酸リトドリン点滴7例、塩酸リトドリン+硫酸マグネシウム点滴2例であった。terminationの理由は陣痛発来6例、高度の胎胞脱出2例、完全破水1例であった。新生児死亡は2例(22%)であった。
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