特集 鼠径部・腹壁瘢痕ヘルニア手術を極める―直達手術から腹腔鏡・ロボット支援手術まで
Ⅱ.鼠径部ヘルニア 10)LPEC法─とくに成人外鼠径ヘルニアに対するAdv.LPEC法
嵩原 裕夫
1
1かりゆし会 ハートライフ病院ヘルニアセンターアドバイザー
キーワード:
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術
,
LPEC法
,
Advanced LPEC法
Keyword:
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術
,
LPEC法
,
Advanced LPEC法
pp.1269-1276
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003985
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure;LPEC)(以下,LPEC法)は,小児の外鼠径ヘルニアに対して考案された術式である。LPEC法では,鼠径管を開放して精管や精巣血管からヘルニア囊の剥離操作を行うことはない。腹腔鏡下にLPEC針(ラパヘルクロジャーⓇ:八光)を用いてヘルニア門周囲の腹膜前腔を運針し,より高位でヘルニア囊を結紮し,ヘルニア門を閉鎖する。術中に対側の腹膜鞘状突起開存の有無を確認できることから術後の対側ヘルニアの発症を予防的に閉鎖することも可能な術式でもある。また,小児の精系水瘤のほとんどが交通性であることから外鼠径ヘルニアと同様にLPEC法で治療することができる。今日では,小児鼠経ヘルニアに対する標準術式として広く行われているが,従来法と比較しても遜色のないことが報告されている1)。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.