特集 共有したい術式および手術経験:手術のポイントや工夫
リアルタイムエコー下穿刺によるPICC挿入
鎌田 悠子
1
,
岡本 健太郎
1
,
水野 裕貴
1
,
伊藤 佳史
1
,
西潟 綾
1
Yuko Kamata
1
,
Kentaro Okamoto
1
,
Yuki Mizuno
1
,
Yoshifumi Ito
1
,
Aya Nishigata
1
1東京医科歯科大学小児外科
pp.255-260
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000382
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はじめに
末梢挿入式中心静脈カテーテル(peripherally inserted central venous catheter:PICC)は,上腕や手背などの静脈から挿入し,先端が上大静脈に位置するよう留置する中心静脈カテーテル(central venous catheter:CVC)の一種である。末梢点滴のように頻回に刺し換える必要がなく,確実な薬剤投与ができ,逆血採血が可能であるなど,血管穿刺の負担が大きい小児において有用である。安全な中心静脈経路として成人で広く普及しており,小児においても普及しつつある。小児へのPICCでも安全に挿入可能であり,穿刺時・留置中の合併症の頻度は成人と同程度である1)。小児血管アクセスのガイドラインであるThe Michigan Appropriateness Guide for Intravenous Catheters in Pediatrics(miniMAGIC)では,投与期間に関わらず組織障害性の高い薬剤が投与される場合と,15日以上(新生児は8日以上)の薬剤投与が計画されている場合にPICC挿入が推奨されている2)。悪性腫瘍の化学療法や,長期治療を要する膠原病・感染症の治療のみならず,1週間を超える絶食を伴う小児外科手術の周術期にも有用である3)。
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