特集 腸内細菌と臨床
2 .腸内細菌と他疾患(3)腸内細菌とアレルギー性疾患および食物アレルギー
福家 辰樹
1
,
成田 雅美
1
1国立成育医療研究センター生体防御系内科部アレルギー科
キーワード:
腸内細菌
,
喘息
,
アトピー性皮膚炎
,
食物アレルギー
,
発症予防
Keyword:
腸内細菌
,
喘息
,
アトピー性皮膚炎
,
食物アレルギー
,
発症予防
pp.1377-1382
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000106
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過去数十年間にわたって先進国ではアレルギー性疾患が増加し,その原因の一つとして腸内微生物叢のインバランス(dysbiosis)が重要な役割を果たしていると考えられている.近代的な生活における環境中および食事中の因子により,共生微生物叢の変化をきたすことで炎症を十分に制御できない可能性が推測される.動物モデルやヒトでの観察研究により,喘息,アトピー性皮膚炎,食物アレルギーなどアレルギー性疾患の発症機序に果たす微生物叢の役割が,十分とはいえないが解明されつつある.本稿では腸内微生物叢とアレルギー性疾患の関連性に焦点を当て,現在までの理解,そして予防と治療の可能性について述べる.
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