特集 胎児治療の進歩と今後の展望
先天性水腎症に対する胎児治療
米倉 竹夫
1
,
山内 勝治
1
,
木村 浩基
1
,
中畠 賢吾
1
,
古形 修平
1
Takeo Yonekura
1
,
Katsuji Yamauchi
1
,
Kouki Kimura
1
,
Kengo Nakahata
1
,
Shuhei Kogata
1
1奈良県総合医療センター小児外科
pp.81-87
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000336
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はじめに
先天性腎尿路異常(congenital anomalies of the kidney and urinary tract:CAKUT)は小児慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の原因の約7割を占め,その6割が閉塞性尿路疾患(以下,尿路閉塞)に伴う先天性水腎症である1)。さらに重度の先天性水腎症は,胎児期における尿流の通過障害に伴い羊水過少や無羊水症をきたし,肺低形成の合併により出生後に呼吸不全で死亡する。また生存例でも腎機能障害により長期のQOLが悪化する。このような症例に対しては,肺低形成の合併や腎機能障害を予防するために,周産期における治療介入が必要となる。
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