特集 胎児治療の進歩と今後の展望
胎児膀胱鏡の有用性
山本 亮
1
,
石井 桂介
1
Ryo Yamamoto
1
,
Keisuke Ishii
1
1大阪母子医療センター産科
pp.77-80
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000335
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はじめに
胎児の下部尿路閉塞(lower urinary tract obstruction:LUTO)は,10,000出生中2~3例に生じ,性差としては8:1で男児に多い1,2)。欧米の系統的レビューが示した背景疾患の内訳は,後部尿道弁(posterior urethral valve:PUV)が57%と最多であり,その他に尿道閉鎖(urethral atresia:UA)または尿道狭窄(urethral stenosis:US)(7.4%),プルーンベリー症候群(3.8%),総排泄腔遺残(0.7%)などであった2)。一方,わが国の2施設における報告では,PUVが23%,UA/USが13%,プルーンベリー症候群,総排泄腔遺残がそれぞれ0.5%であった3)。
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