特集 胎児治療の進歩と今後の展望
尿管瘤に対する胎児治療
山本 亮
1
,
石井 桂介
1
Ryo Yamamoto
1
,
Keisuke Ishii
1
1大阪母子医療センター産科
pp.88-90
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000337
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はじめに
尿管瘤は約1/4,000~12,000妊娠の頻度で生じ,女児は男児の4~6倍の頻度である1,2)。尿管の遠位端(膀胱側)が囊状に拡張した状態であり,単純性尿管瘤と異所性尿管瘤に分類される。単純性尿管瘤は膀胱三角の通常の位置に開口した尿管に瘤を伴った状態であり,多くは無症状で年長児や成人で偶発的に診断される。異所性尿管瘤は膀胱三角より遠位側に異所性開口した尿管に瘤が発生したもので,尿管瘤の約8割を占める3)。異所性尿管瘤の多くは重複腎盂尿管を伴い,異所性開口部をもつのは腎上極側の尿管であることが多い。
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