特集 胎児治療の進歩と今後の展望
胎児に対する麻酔管理
野口 翔平
1
Shohei Noguchi
1
1埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科
pp.20-23
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000324
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Ⅰ.外科的胎児治療の麻酔の状況
2022年現在,わが国における外科的胎児治療に関しては,双胎間輸血症候群に対する胎児鏡的胎盤吻合血管レーザー焼灼術と胎児胸水に対する胎児胸腔・羊水腔シャント術が保険適用となっている。胎児治療を大きく3つに分類すると,低侵襲胎児インターベンション(超音波ガイド下穿刺や胎児鏡手術),ex utero intrapartum treatment(EXIT),そしてopen maternal-fetal surgery(脊髄髄膜瘤胎児手術など)に分けられる。このうちopen surgeryに関しては,たとえば脊髄髄膜瘤胎児手術は欧米ではエビデンスが確立しているものの,わが国では現在早期安全性評価試験を行っている段階であり,まさにこれからの発展領域といえる。
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