特集 産科麻酔
産科麻酔と胎児
佐藤 章
1
,
星 和彦
1
,
月川 奏
1
Akira Sato
1
1福島県立医科大学産科婦人科学教室
pp.129-132
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207730
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
産科麻酔を行うにあたっては,まず,母体の妊娠による解剖・生理学的変化を念頭におき,その時の母児の状態をしっかり把握しておかなければならない。しかし,それと同時に,麻酔剤やその他の薬剤の胎盤通過性をはじめとする胎児に与える影響を知っておかねばならない。産科麻酔における胎児への影響は,投与された麻酔薬による直接の影響と,母体の呼吸循環系が麻酔により影響を受ける結果,胎児に二次的な影響が及ぶ2つの影響がある。これらの影響を理解するために,母体‐胎盤‐胎児系の関係,胎盤通過性の特徴,子宮胎盤系の特徴を理解しなければならない。ここでは,それらにつき記載し,最後に,産科麻酔として一般に行われている全身麻酔,硬膜外・脊椎・旁頸管麻酔などの局所麻酔における胎児の影響について記載する。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.