病気のはなし
膵・胆管合流異常
田本 英司
1
1社会福祉法人北海道社会事業協会小樽病院消化器外科
pp.1196-1199
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530111196
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Point
●膵・胆管合流異常は,解剖学的に膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の形成異常(奇形)である.
●Oddi括約筋の作用が膵管胆管合流部に及ばないため膵液と胆汁が相互に逆流し,さまざまな病態を引き起こすが,胆道の発癌が最も問題となる.
●胆管拡張の有無により先天性胆道拡張症(胆管拡張型)と胆管非拡張型に分類され,それぞれ検査所見や治療法が異なる.
●胆道癌を発症すると予後不良になるため,確定診断がされた後は速やかに手術を行う必要があるが,手術後も長期間を経てさまざまな合併症が起こりうるため,生涯にわたる経過観察が必要である.

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