特集 先天性胆道拡張症up-to-date
胆管拡張のない合流異常に対する手術(小児)
望月 響子
1
,
臼井 秀仁
1
,
北河 徳彦
1
,
新開 真人
1
Kyoko Mochizuki
1
,
Hidehito Usui
1
,
Norihiko Kitagawa
1
,
Masato Shinkai
1
1神奈川県立こども医療センター外科
pp.872-876
発行日 2022年9月25日
Published Date 2022/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000227
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はじめに
膵・胆管合流異常(pancreaticobiliary maljunction:PBM)とは,解剖学的に膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性形成異常である1~7)。膵液と胆汁が相互に逆流することにより,胆管炎,膵炎,肝内結石など種々の病態をきたし,さらに胆道への持続的な膵液逆流により,胆管上皮が傷害され高率に胆道がんを発生させることが知られている1,4~7)。PBMは胆管拡張型(先天性胆道拡張症)と胆管非拡張型に分類される1,2,8)。先天性胆道拡張症(congenital biliary dilatation:CBD)は「総胆管を含む肝外胆管が限局性に拡張する先天性の形成異常で,PBMを合併するもの」と定義され,肝内胆管の拡張を伴う症例も含まれ2,4,6),治療術式としては胆囊摘出とともに肝外胆管を切除し,肝管空腸吻合による胆道再建を行う。胆管非拡張型に対する治療法は,胆囊摘出術のみとするか,CBDと同様に肝外胆管を切除するか意見が分かれている1)。
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