Japanese
English
研究
腸管不全症例の在宅における中心静脈カテーテル管理の実態と70%イソプロパノール含有キャップ「スワブキャップ」の使用経験
Practice of Central Venous Catheter Management at Home in Patients with Intestinal Failure and Experience of Using 70% Isopropanol-Containing Cap “SwabCap”
藤村 匠
1,2
,
山田 洋平
1
,
熊谷 祐美
3
,
加藤 源俊
1
,
高橋 信博
1
,
高野 八百子
4
,
黒田 達夫
1
TAKUMI FUJIMURA
1,2
,
YOHEI YAMADA
1
,
YUMI KUMAGAI
3
,
MOTOTOSHI KATO
1
,
NOBUHIRO TAKAHASHI
1
,
YAOKO TAKANO
4
,
TATSUO KURODA
1
1慶應義塾大学医学部小児外科
2国立病院機構埼玉病院小児外科
3慶應義塾大学病院看護部
4慶應義塾大学病院感染制御部
1Department of Pediatric Surgery, Keio University School of Medicine
2Department of Pediatric Surgery, National Hospital Organization Saitama Hospital
3Department of Nursing, Keio University School of Medicine
4Department of Infection control team, Keio University School of Medicine
キーワード:
isopropanol-containing cap
,
catheter related blood stream infection
,
intestinal failure
,
SwabCap
Keyword:
isopropanol-containing cap
,
catheter related blood stream infection
,
intestinal failure
,
SwabCap
pp.828-834
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000217
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はじめに
栄養管理やカテーテルなどの医療デバイスの進歩に伴い,在宅経静脈栄養(HPN)が生命を維持する治療法の一つとして重要性を増し,在宅における中心静脈カテーテル(CVC)の適切な管理方法が注目されるようになってきた。特に腸管不全の患者にとって,HPNは生命維持のために最も重要な治療の一つである1~4)。HPNは長期生存を可能にするだけではなく,QOLの向上,医療費の削減ももたらす5~7)。しかしながら,HPNはCVCを挿入する必要があり,患者にとって致死的な状況をもたらす合併症であるカテーテル血流関連感染(catheter related blood stream infection:CRBSI)のリスクを在宅で抱えることになる8,9)。CRBSIのリスクはHPNに用いる輸液の種類,CVCの種類やそれらが留置されている場所・期間,CVC管理の方法などがあげられる10)。今回の調査では療養環境が異なるなかで,どの症例に対しても導入できるCVC管理に注目した。特に小児は成人に比べ,学校生活や屋外での遊びなど活動量が多い一方,認知発達途上にあり感染予防行動やCVCの自己管理が不十分であるという特性があるためにCRBSIのリスクが高いと考えられる。また年齢によってはCVC管理の実施は保護者であり,生後より継続した管理を必要とする子どもも多く,CRBSI予防に対する保護者の負担は大きい。
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