特集 小児の便秘:最近の知見
欧米のガイドラインと『小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン』
十河 剛
1
Tsuyoshi Sogo
1
1済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科
pp.336-339
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000092
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はじめに
日本小児栄養消化器肝臓学会および日本消化管機能研究会が合同で『小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン』(以下,本邦ガイドライン)を作成し,2013年に発表した1)。本邦ガイドライン作成時には,日本においては便秘治療薬としてポリエチレングリコール(PEG)製剤が承認されておらず,したがって本邦ガイドラインはPEG製剤が利用できない状況下で作成されたものであることを認識して利用する必要がある。一方で,ヨーロッパ小児栄養消化器肝臓学会(ESPGHAN)と北米小児栄養消化器肝臓学会(NASPGHAN)は,2014年に合同で乳幼児および小児の機能性便秘症の評価と治療のクリニカル・ガイドライン(以下,欧米ガイドライン)2)を発表した。欧米では2014年時点でPEG製剤が小児便秘治療薬の第一選択薬となっており,欧米ガイドラインはPEG製剤を利用することが前提となったガイドラインである。
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