書評
便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症
春間 賢
1
1川崎医科大学総合医療センター総合内科2 特任教授
pp.437-437
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_437
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- 文献概要
2017年に日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会編集で作成された『慢性便秘症診療ガイドライン2017』(以下「2017年版」とする)が,日本消化管学会が中心となり,日本消化器病学会,日本消化器内視鏡学会,日本大腸肛門病学会の協力のもとで改訂され,『便通異常症診療ガイドライン2023:慢性便秘症』として南江堂から発刊された.便秘という症状はあまりにも一般的であり,経験的に診療が行われていたなかで,2017年版の作成には評者も作成委員として参加したが,便秘の定義や慢性便秘の病態に関わっている消化管運動の評価,さらに本邦では一般的に使用されている刺激性下剤の位置づけなど,多くの難題を抱えながら作成された.ガイドラインには,実地医家が簡便に使用することができるように診療フローチャートが必要であるが,2017年版ではそれを作成することができなかった.また,エビデンスレベルA,推奨の強さ(合意率)1の治療薬は,浸透圧性下剤と小腸上皮機能変容薬lubiprostoneの2剤であった.
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