特集 先天性囊胞性肺疾患診療ガイドライン
非手術・モニタリングの是非
高澤 慎也
1
,
藤代 準
1
Shinya Takazawa
1
,
Jun Fujishiro
1
1東京大学小児外科
pp.204-207
発行日 2022年2月25日
Published Date 2022/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000050
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はじめに
本稿では,先天性囊胞性肺疾患に対して手術を行わずに経過観察することの是非について論ずるが,ひとことで結論づけることは困難である。まず,ひと口に先天性囊胞性肺疾患といっても,そのなかにはいくつかの疾患概念が混在しており,報告によって対象とする範囲がさまざまである。また,先天性囊胞性肺疾患の画像診断は困難なこともあり,確定診断には切除標本の病理診断が必要となる場合が多い。しかし,非手術で経過観察した症例の検討においては,病理診断に基づいていないため,正確な議論ができない可能性がある。それらをふまえて,先天性囊胞性肺疾患全体,もしくはそのなかで最も多いとされる先天性肺気道奇形(congenital pulmonary airway malformation:CPAM)/先天性囊胞状腺腫様奇形(congenital cystic adenomatoid malformation:CCAM)を中心に検討を行うこととする。途中,議論の対象が曖昧な部分があるがご容赦願いたい。
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